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谷川岳/一ノ倉沢
一ノ倉沢本谷〜4ルンゼ
2016年10月30日
←戻る 《一ノ倉沢 本谷下部》 出合でシャッターチャンスを待つカメラマンの合間を縫って、一人沢筋のガレに踏み込んで行くと、沢の奥にも所々カメラマンがいる。 沢幅が狭くなり、濡れた箇所が増えてくるとやはりberghouseのアプローチシューズでは滑って思うようにスピードが出ない。 そこで早速ウォーターテニーに履き替えてみることにした。 さすがステルスC4のソールだけあって、アプローチシューズと比べると濡れた岩を歩くときの安心感が格段に違う。 カメラマンたちはヒョングリの手前まで入ってきていた。 この先から登攀要素が強くなってくる。 ヒョングリの滝には残置のお助け紐がかかっているが、それは使わず右壁を登る。 ヒョングリを越えると衝立前沢を右手に分け、その先の滝に先行パーティーが取り付いていた。 ラインは右壁だが残置はあまり無さそうに見える。かと言ってカムでプロテクションを取れそうな雰囲気でもない。 フリーソロでも行けるだろうと踏んで取り付いたけど、久しぶりの外岩かつ朝イチで体が硬く、ホールドも見た目以上に悪い。 おまけに下ろし立てのウォーターテニーはまだ足裏感覚に慣れず、緊張を強いられる。 高さも10mほどあり、やはり横着せずにロープを出すべきだったと後悔したが今更遅い。 先行パーティーは当然ロープを出している。 先行パーティーとは弱冠ラインを変え、落ち口より高く登った後、トラバースして落ち口に降りた。 ここで先行に追いつくと、予想通りこの3人パーティーも幻の大滝狙いとのことだ。 リーダーの方に、一人のほうが早いから先にどうぞと言われたが、まだハーネスも付けていなかったからここは先に行ってもらうことにした。 3人パーティーはこの先の淵を高巻くため、それぞれ確保無しで右岸の階段状バンドを10m弱ほど登って行き、俺はその間にハーネスだけ履いて後を追った。 バンドの上で3人に再び追いつくと、彼らはここからロープを出すとのことで先を譲ってくれた。 砂利っぽいバンドをトラバースし、少しクライムダウン気味に水線に合流する。 小さな釜のある流れの細い滝の左スラブを簡単に登ると、落ち口から先で谷が左へ屈曲している。 落ち口の上は幅1.5mの長細い淵となり、両側壁に足を突っ張ってじわじわ進んだ。 淵の突き当たりの低いCSの手前で左手のスラブに乗り、そこから広大なスラブ登攀が始まる。 確保があればどこでも登れそうだけど、無いので確実な足場を選んで進む。 真っ白なスラブは両翼で高い岩壁へと続き、すぐ右手の流水はナメを優しく伝わり落ちる。 スラブを登りきると比較的すっきりとした顕著な二ノ沢が左手から出合う。 二の沢出合で本流を渡渉すると、遂に本日の本命、幻の大滝が潜むゴルジュの入口だ。 →次へ |