TOP | ソロクライミング | リード・ボルダー | 山行・アルパイン |
コンペティション | 沢 | その他 |
南アルプス/白根三山
北岳バットレス
dガリー フリーソロ 2014年9月14日〜15日
←戻る 《二俣〜取付》 ここまで来ると四尾根のスカイラインがよく見えて、デジカメの望遠で撮るとルート上の至るところにクライマーが取り付いてるのが確認出来る。 もういっそ一回登ったことのある四尾根でも登ってお茶を濁しとくか・・・ そんな安易な考えも頭を過ぎる。 二股では多くの登山客がご飯を食べながら休憩してるけど、ここでは立ち止まらずに左股へと向かった。 ギアとロープの重さに喘ぎながら、相変わらずのスローペースでd沢を目指す。 前回アプローチが分からずに間違って入り込んだヒドゥンガリーを通り過ぎ、左俣沿いにしばらく登山道を歩いてると、八本歯方面から下って来る登山客に見覚えのある顔が・・・ ナニを隠そう、彼こそが同人青鬼の創始者、我らが池田山観音だ! 彼には最近、大樺沢の二俣のように大きな人生の分岐点があったという噂があるんだけど、俺の予想では次のようなやり取りがあったんだと思うんだよね、絶対。 池田山夫人「私と山とどっちが大切なのよ!!!」 池田山「もち、山。」 かくして彼は真の"ソロイスト"となったのだ。 実は彼が今回ソロでバットレスに来ているのは知ってて、どっかで会うかもしれないとは思ってた。 俺「もう登ってきたんですか?」 池田山「そだよ。dガリー奥壁をソロで。」 それにしても背中のザックはやけに軽そうだが、もしかして・・・ 俺「今回のソロシステムはどうしたんですか?」 池田山「フリーソロ。いやぁ〜やっぱフリーソロは速いわ〜(ドヤっ)」 その瞬間、死にそうになりながら担ぎ上げてきた自分のフル装備をブン投げたくなった。 俺もフリーソロで身軽に登っちゃおうかなぁ・・・ それならこの重い荷物から解放されて楽になるし・・・ だけど端からフリーソロと決めつけて登る自信は俺にはない。 どや顔池田山と別れ、バットレス沢を過ぎ、水の流れるc沢を過ぎてすこししてからd沢も通り過ぎていることに気づいた。 まだこの時点で何とな〜くdガリー奥壁付近でも登ろうかな〜ってくらいにしか考えてなくて、アプローチもいつものごとく何んとな〜くしか頭に入ってなかったから、c沢とd沢の出合がこんなに近いとは思ってなくて、eガリーへ続くガレ沢まで登山道を登ってしまった。 d沢まで下るの面倒だし、こっからdガリーの取り付きまで行けねーかな。 荷物を一旦下ろし、沢に張ってあるワイヤーケーブルを横切って少しガレ場を上がって見ると、更に少し上の方でd沢との間の尾根のブッシュが途切れてて、そこからd沢に合流できそうな箇所が見えた。 一旦下って荷物を担ぎなおし、登山道に落石を落とさないよう慎重に足場を選んで再度ガレ場を上がっていくと、登山道から100mくらいのところに小さなケルンが積んであってd沢方面にトラバースする踏み跡がついてた。 これで高度をロスせずに済むぜ。 もう今日はビバークだから、なるべく取り付き近くまで行っておきたい。 ビバークポイントを探しながら尾根沿いを取り付きに向かって上がっていくけど、斜面の傾斜がきつくてなかなかいい場所が見つからない。 灌木帯の途切れるところになんとか横になれそうなところがあったから、そこに荷物を下ろして一息ついた。 →次へ |