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dガリー フリーソロ
2014年9月14日〜15日



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《Day1》 9月14日 アプローチ

うっかり寝坊して目を覚ましたのは広河原行きの始発バスが出た直後だった。

急いでパッキングの最終チェックをして、サンドイッチとおにぎりを流し込みバス停へ向かうと、そこには既に登山客の長蛇の列が出来ていた。

みんなカラフルなウェアやザックを身に付けていて、他の仲間と楽しそうに喋りながらバスを待ってた。

日帰りか小屋泊まりなんだろうなっていう軽装備の人がほとんどだ。

それとは対照的に俺の出で立ちときたら、色気のない上下にボロボロのアプローチシューズ、一人で50mロープを2本もザックにくくりつけ、怪しげな金具を沢山ぶら下げて・・・

ところで次のバスがなかなか来ないんだが・・・

バスを待ってると、バスより先に乗り合いタクシーが10台ほど一気にやって来て、バスに並んでた登山客が一気にタクシーのほうに駆けていった。

つーかお前ら、仲間でタクシーとバスの両方の列に分かれて並んぶなんて卑怯くせぇぞ!

で、やっとバスが来て広河原に向けて出発したのは9時ごろだった。

バスに乗り込んだはいいものの、この期に及んでまだ気分が晴れない。



山登りを始めて以来、体力的にも登攀能力的にもこんなに不安な状態で山に向かうことはない。

前日、他の青鬼メンバーに

「"来ただけ"バットレスにならないよう頑張ってルーファイして登るっす!」

なんてつぶやいてたけど、ほんとはどっかで適当に理由つけて引き返そうかとも思ってた。

今回の行程ならどこからでも引き返せるし、体力的に限界を感じたり、なんならルートに取りつくだけ取りついて、不安ならさっさと諦めて下降すればいいくらいの気持ちで、広河原から歩き出した。



案の定、久しぶりのフル装備の重さに出だし早々から弱音を吐きたくなる。

そして早くも御池小屋との分岐で他の登山客に先を譲ってた。



「(どうせどこかで引き返すかもしれないんだろ?だったらさっさと引き返しちまえよ、楽になれるぜ?フヒヒッ・・・)」

「(いや、まだ歩き始めたばかりじゃないか。貴重な休暇を使ってせっかくここまで来たんだ。体力が許す限り頑張らないと後悔するぞ!!)」

・・・的な葛藤を心の片隅で繰り広げつつも、歩いていればそのうちペースを掴んで少しは楽になるだろと割り切って歩き続けた。



だが、全くペースが掴めねぇ・・・

何度も座り込んで休憩しながらやっと二股に到着した。



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