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戸台川
イワンヤ沢 左俣
2012年8月11日
←《入渓》へ戻る 《左俣ゴルジュ》 この細い水流が石灰岩の一枚岩をこれだけの深さ削り取るのに、いったいどれだけの月日が掛かったのだろうかと思いを巡らさずにはいられない。 側壁は20m以上もあるのに、幅はたった3m。 この閉塞感と威圧感、ラインを強要され逃げ道を与えてくれないこの束縛感・・・・ ん〜!やっぱたまらんわ!これぞゴルジュの魅力! これまでの倦怠感なんて一気に吹っ飛んでしまい、ワクワクしながらその狭い空間に足を踏み入れていった。 すると早速3m程の被ったCS滝に行く手を阻まれた。 高さは無いから簡単に超えられるだろうと、左の隙間からチョックストーンの上に手を掛けるも、いいホールドがない。 左壁の凹凸も向きが悪く、ヌメっていて乗り込めない。 初っ端からこの程度の滝を越せないようじゃ、先が思いやられる。 ザックを置き、もう一度フリーで取りついてみた。 何とか悪いホールドで耐えて体を上げ、CS滝をクリアし、思わず声を上げた。 ひゅぅ〜!やっぱ滝登り楽しぃ〜! ザックを引き上げ、段差を一つ越えるとF2(イワンヤ沢のF5?)だ。 6m程でラインは右壁。 全体的にホールド、スタンスとも微妙だったけど、慎重に手を進め何とかフリーソロで突破! 1m程のF3を超えると深い釜を持つ F4CS滝だ。 釜は深くて足が着かず、最初で最後の泳ぎとなった。 滝の左壁に取り付こうとするも、まともなホールドが無くて釜から上がれない。 足は水中で岩に触れるけど、ナメていてスタンスも無さそうだ。 細かいホールドを握り込んで腕力だけで体を水面から上げようとしたけど、水でザックが重たすぎて、思うように上がらない。 体を上げても乗りこむスタンスが無くて、また釜に浸かった。 胸まで水に浸かりながらもう一度ラインを検討し、今度は左壁に足を突っ張り、右壁をプッシュして水から上がることに成功した。 後は細かいスタンスを拾いつつ、滝をまたいでヌメヌメ&ナメナメの側壁をステミングしながら少しずつ慎重に高度を上げていった。 チョックストーンに手が届いたけど、いいホールドはない。 抱きつくように飛びついて、あとは全身のフリクションで這い上がった。 ふぅ〜!これもシビれたぜ! そして現れたゴルジュ最後の滝 。 全く凹凸のないナメ滝で、しかも茶色い水苔に覆われてる。 当然超ヌメヌメだ。 ここもザックを置いて、滝をまたいでのステミング作戦で取り付いた。 完全にフリクション勝負の際どい登攀だけど、落ち口にある流木の枝はなるべく使いたくなかった。 だけど落ち口は両壁が開いてステミングが効かなくなってきて、おまけに流木自体が邪魔で抜けが厳しかったから、仕方なく枝を掴んで抜けた。 これにてゴルジュは終了だ。 《右俣偵察&下降》へ→ |