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北アルプス/槍・穂高
屏風岩東壁 雲稜(敗退)
2015年8月16日〜17日
←戻る 《渡渉〜T4基部》 流れが緩くて浅そうな場所を探し、シューズを脱いで渡渉開始。 めっちゃ冷てー!! 川床のヌメった岩で滑らないように気を付けて対岸まで渡り、靴を履いて歩きだすと・・・ あれ?中州だった? 再度靴を脱いで渡渉。 さて、ここからどういくんだっけ? この水無沢を詰めていけばいいのかな? 他に踏み跡らしきものが見当たらなかったから半信半疑で水無沢を歩き出すと、所々砂地に比較的新しい足跡が付いてる。 どうやら合ってるようだ。 それにしてもこの沢にはロープやスリングの残骸が目立つ。おそらく、古くなって氷雪で流されたりしたものの多くがここに集まってくるんだろう。 上高地から歩き出してこれまでほぼ平坦で整備された道だったけど、登山道から外れた上にガレ沢の急登となり一気にペースダウンした。 おまけに小アブが顔中に纏わりついて鬱陶しい。 丁度いい高さの岩を見つけてはザックの重みを岩に預けて休憩を繰り返しつつ、ゆっくりと高度を上げて行った。 頭上が開けてくると視界いっぱいに広がる屏風の東壁が現れた。 岩小屋跡付近から見上げる屏風岩はとても大きく見えたけど、これだけ近くまで来るとそのスケール感は現実的なものに思えてくる。 だけどやはりその傾斜は決して楽なものではないと改めて感じる。 帰ってから他の記録の写真を見てみると、同じような時期と比べると今年は雪渓が少ないようだ。基部(T4尾根取り付き)直前で数メートル雪渓を横断した程度で、他は避けて歩くことが出来た。 少し遠目からT4尾根ルートを見てみるけど、どこがルートかよく分からない。 ここから1ルンゼの方に目をやると、こちらの方が簡単そうに見える。 T4までのアプローチの情報を全く調べ忘れてたとは、うっかりしすぎるにも程があるな、と自分に呆れてしまう。 しばし悩んだ後、見た目の傾斜が緩そうな1ルンゼに進んだ。 ルンゼ沿いに登って、1〜2カ所ロープが欲しくなるような高さの岩を超えると、岩孔の奥が行き止まりとなっていて、その左手は滝状となって1ルンゼが続く。 その右壁に古めのスリングのかかった残置支点があった。(帰ってチャレアルで確認したところ、どうやらここがディレッティシマルートの取り付きのようだ。) この時点で既に17時。 ここから先に進むにはさすがにロープを出さない訳にはいかない。 この時間でロープソロは気が重かったけど、T4尾根基部も傾斜のある斜面だったから、そこまで戻って寝心地の悪いビバークをするよりはちょっと面倒だけど上まで抜けた方が快適に過ごせるだろうと自分に言い聞かせてザックを降ろした。 この時はチョロッとロープを出して1時間くらい掛ければテラスまで抜けれるだろうと考えていた。 だけど1時間後、この判断を激しく後悔していた。 →次へ |