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八ヶ岳/南八ヶ岳
ジョウゴ沢単独登攀
2013年12月23日
←戻る 《ジョウゴ沢》 F1はバイルを両手に持ってロープは出さず、右の緩傾斜部分を簡単に越える。 簡単だけど久しぶりだから、ノミックとリンクスが氷に刺さる感触を思い出しながら登り、ついでにどっちも全然研いでなかったことも思い出す・・・ F1を超えるとすぐにF2だ。 F2はそれなりに登り応えがありそうだぞ。 ロープを出そうか迷ったけど、傾斜は緩いからフリーソロで越えた。 氷結自体はしっかりしてるけど、薄い個所も多くて、氷の壁の内部はしっかり水が流れている。 雪に半分埋まった小さなF3を、トレースに従って左側を巻く。 ・・・・って知ったかぶってエラそうに書いてるけど、登ってるときはこれがF何か全然分かんなかったんだけどね。 ここを過ぎると谷が開けてくる。 んー!気持ちいい! でもこの時点でかなりバテてて、自分の体力の衰え具合にかなりびっくり。 この先、どんな氷瀑が出てくるか全然頭に入ってないんだけど、早く軽身になって華麗なソロクライミングがしたい・・・ と、開けた谷を肩に食い込むザックに喘ぎながら重い足取りで進むと、その奥にはカッコいいゴルジュ地形が!!! そしてその奥には蒼くそびえる立派な氷瀑が姿を覗かせているじゃないか!!(てかあれ、マジでソロで登んの・・・?) 両岸の切り立ったゴルジュ入口の狭いF4〜F5(これも後で調べた)を越えると谷は左に屈曲してて、氷瀑(乙女の滝)が本筋の滝じゃないことが分かって内心ほっとした。(じゃあテメーは何しにここまで来てんだよwww) その先で二股となっていて、どっちにナニがあるのか分かんなかったから、左俣の小滝を登ってその奥を覗いてみると、先行パーティが凍った滝を登ってるのがチラッと見えた。 あれならソロで登るのにちょうどよさそうだ。 しかも、右俣はこのまま稜線まで何もなさそうだし。(実はこっちに大滝?) で、左の滝(ナイアガラ滝)をソロでサクッと登って稜線に抜けることにした。 先行パーティーがいくつかのラインを登ってるのを眺めつつ、昼食休憩とした。 待っているとど真ん中のラインが空きそうだったんで、ジジをビレイ器にしてロープをセットして準備した。 さぁ、いよいよアイスで初のソロクライミングだぜ! ギャラリーの前でカッコよくスマートに登るはずだったけど、アイスどころかソロシステム自体が久しぶりであまり締まらなかった。 残置を使って懸垂し、荷物を背負って回収しながら登り返す。 他のパーティーが撤収していく中、一人稜線を目指して先へと進んだ。 しかし、ここから先にトレースはなく、それどころかここ数日で降り積もった雪で足元の凹凸が分からない。 浅く積もった雪の下はガレで、アイゼンがはじかれて歩きにくい。 足元を取られながらも少しずつ高度を上げていくと、徐々に視界が開けてきて、久しぶりの南八ヶ岳の展望が広がる。 北側から大同心を見たのは初めてだけど、その姿は凛々しく、堂々としてやはりその存在感は際立っている。 息を切らしながらトレースのない雪面を爆裂火口の縁に向かって進むけど、雪が深くなってきて思うように進まない。 谷はルンゼになり、ルート取りはリッジに移行する。 稜線まであと100mくらいだと思うんだけど、藪の深雪に心が折れて結局敗退を決めた。 さっさと足場の悪いルンゼを下って、ナイアガラ滝の上に戻って来た。 右壁伝いにクライムダウンしようかと思ったけど、周りに誰もいなかったから大人しくロープ出して懸垂した。 下りに乙女の滝を改めて見上げるけど、やっぱまだ俺には早いなと思う。 ゴルジュを抜け出して、F2の落ち口に着くと、登りでは気づかなかったけど、地熱で雪が溶けてる場所があってガスが立ち上ってた。 ここも素直に懸垂した。 登攀内容はカッコ悪かったけど、残す写真くらいはと、ちょびっとカッコつけて一服がてら自分撮り。 ロープをザックにしまって、あとはひたすら歩くだけだ。 登りの途中からちょっと違和感があったんだけど、久しぶりに履く冬靴で出来た右の踵の靴ずれの痛みが増してきた。 鉱泉を過ぎるころには結構つらくなって、泣きそうになりながら夕闇の北沢を下った。 →次へ |