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北アルプス/錫杖岳
錫杖岳 前衛壁 2ルンゼ
2013年2月23日〜24日
←戻る 《2ルンゼ登攀開始!》 1ピッチ目。Rickyリード。 前回GTとTakaがやったときは、Takaに騙されてGTは右のオフウィズス〜ベルグラのラインをとって、落ちたらしい。 本当はその右壁らしいんだけど、それもホントか? どう見ても左の凹角が妥当なラインだと思うんだけどなぁ・・・ つーことで自分のカンを信じて左凹角に取り付いた。 そしたら所々に残置ハーケンがある。 やっぱこっちじゃん。 ま、残置とか使わないけど。 で、スクリュー入れた後もあって先行パーティーもこのラインで登った様子。 やっぱあってんじゃん。 でも結構傾斜が立ってて悪い。 最後の薄被りを乗っ越す手前で氷が薄くなって、スクリュー決められる一番いい場所には既にスクリューホールが空いている。 だがこんなもん使ってたまるか! 何とかスクリューを決めてグズグズの草付と雪で覆われた薄被りパートを恐る恐る抜けた。 うっひょ〜!初っ端からシビれるぜ! その上部は雪田だ。 雪に埋まった立木を掘り出して支点をとり、約40mでピッチを切った。 GTがフォローで上がってきたけど足場が悪くてそのまま荷物を担いで2P目の雪田を上がってもらった。 ノープロで60mロープをほぼフルに出して雪田の末端に辿り着いた。 このころから時々雪がちらつき始める。 ビレイ解除のコールが聞こえ、俺も雪田を詰める。 2P目の終了点も支点が埋まっている様で、GTはカムで岩から微妙な支点を取っていた。 3P目。GTリード。 出だしはアイスセクションで4級程度だと思うけど、氷が甘いらしく短間隔でスクリューを決めながら登っている。 風が吹いていて、時々スノーシャワーが降ってくる。 ピッチ自体は短く、20mくらいか。 GTが登り終えたので俺もザックを担いでフォローで登り始めた。 そんなに長時間のビレイじゃなかったけど、登り始めると手が一気に冷えて痛くなった。 ザックは10kgぐらいで、これもなかなか肩にくる。 おまけにGTがかなり氷の立ったところに単間隔でスクリュー決めてるもんだから、何度もシェイキングしつつ、半泣きになりながら何とかテンション掛けずに回収して10m程のアイスセクションを抜けた。 アイスの上は雪の詰まったチムニーだ。 ザックを担いでいると結構狭くて登り辛いけど、無難に突破。 3P目終了点は半洞窟上になっていて、2人がギリギリ立てるくらいのスペースだ。 俺がチムニーを登ってる間に、先行パーティーが下降してきた。 GT「もしかしてTakaのお友達の、富山のWada君ですか?」 Wada君「はい、そうです。」 GT「Takaちゃんがギアを預けっぱなしだから、受け取って来て欲しいって言ってたんですけど・・・」 Wada君「いや、預かってないです。」 Takaのヤロウ、またいい加減なことばかり言いやがって・・・ Wada君たちはミックスセクションに歯が立たずに敗退してきたとのことだった。 Wada君「でも、ミックスの手前までのピッチはすっごい気持ちよく登れますよ!」 4P目、Rickyリード。 気持ちよく・・・ いや、だが、しかし、目の前にある4P目の出だしはどう見ても悪いぞ? 氷の本体はわりとしっかりしてそうだけど、そこまでは貧弱なベルグラと露岩部をチムニーの外に向かって2m程トラバースしないといけない。 しかもそこまでは岩に着いた幅10cmほどの雪のスタンス・・・ つまり手も足も悪いってワケだ。 唯一プロテクションが取れるのは背中側のフィンガークラックのみ。 いつ崩れてもおかしくない雪のスタンスにそっと足を乗せて、何とか手が届くくらいの位置にあるクラックにエイリアンを1本、ブラインドでセットしてロープをクリップした。 中を覗けないからちゃんと歯が効いているのかは分からないけど、取りあえずは抜けなさそうだ・・・ 薄いベルグラ、心許ない雪のスタンス、その後に続くバーティカルアイスといきなりの露出感、そしてプアプロ・・・ つーかなにこのアルパインなシチュエーションは!! めっちゃシビれるんですけど!!!! ほんじゃあいっちょアイス経験約5日の超初心者の実力を見せてやるかの! まずはベルグラにそっとピックを刺して、と・・・ ほんでもって雪に乗せた足を慎重に踏み換えて、ゆっくり左手を伸ばして、と・・・ (めっちゃ怖えぇぇーーー!!!) 氷の本体にバイルを打ち込んで乗り移りに成功! でもすぐ右手は岩肌が露出していて安定した体制がとれない。 さっさとこのバーチカルな箇所を抜けようと、更に上部にバイルを打って引きつけようとしたその瞬間・・・ エイリアン1本で止まったあぁぁぁっっっ!!! 本チャンでまともにフォールしたの初めてかも。 で気を取り直してすぐに2便目。 2便目は無難にアイスセクションを抜けた。 約10mのアイスセクションの後は、適度にランナウトしながら、比較的傾斜の緩い20mのルンゼ登りで第2洞窟に到達した。 洞窟内の綺麗な氷柱にスクリューで支点を取って、フォローのGTを迎えて本日の登攀は終了とした。 ⇒次へ |