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多摩川水系/一ノ瀬川
大常木谷 千苦ノ滝登攀
2012年6月2日〜3日



《プロローグ》

「もっと沢に行きてーーーー!!!!」





これまで沢登りというものを本格的にやってなかったけど、去年からペコマ&チッペが沢に力を入れ出して、自分もそれに乗っかるように沢に行き出した。



つい先月、ペコマに三郎ノ岩道窪に誘われて、チッペと三人で今年の初遡行をやってきた。



そして今回も一泊一食付(笑!)のペコマの計画にお客様気分で便乗した。

今回のテーマは最近話題の「ゴルジュストロングスタイル」を実践することらしい。



大常木谷の行程中、最大落差である“千苦ノ滝”は通常高巻きするらしいが、この滝の突破を試みようというというのが今回のメインイベントだ。

どんな滝か知らないけど、ウェブで記録を探していくつか読んでみると、「一目見ただけでこの滝を登るのはあり得ないと思い・・・」とか「過去に死亡事故が起きてるらしい・・・」とかいった記述が目につく。

ん〜何かテンションあがってきたぞ!

ゴルジュ泳ぎもあるみたいだし!

しかも魚も釣れるみたいだし!

夜はチッペが特性料理を作ってくれるみたいだし!



俄然ワクワクさんがウナギだね☆(おねむこ風)






《出発》

金曜の夜、休みでうちに来てた彼女を家に送り届けてからそのまま向かうつもりだったけど、仕事から帰ると彼女の具合が悪そうだ。

俺「どうしたの?」

彼女「・・・頭痛がひどくて。」

俺「大丈夫?車乗れそう?」

彼女「・・・は?まさか体調の悪い私を途中で下ろして行くつもり?

俺「・・・はい。

何とか言い訳をして彼女を車に乗せて出発した。

研修先の病院にちょっと用があったから渋谷で彼女を一旦下ろして病院へ向かう途中・・・

あっ!やべ!釣り餌買ってなかった!

これは彼女に頼むしか・・・

しぶしぶ彼女に電話して

俺「もしもし・・・

彼女「何?

俺「悪いんだけど・・・ブドウ虫買っといてくれない?

彼女「・・・・殺す。」


翌朝早く彼女の家を出発するとき、その視線は雪渓の上を吹き抜ける風のように冷やかだったのは言うまでもない。




《アプローチ》

朝7時に道の駅‘たばやま’でペコマ&チッペと合流して一ノ瀬林道沿いの駐車スペースに向かった。



駐車スペースは切通しになっていて、そこで装備を整えて大常木出合へ続く小尾根の右斜面を適当に下り始めた。



激悪な斜面のトラバースを交えて尾根沿いの踏み跡に合流したが、少し下るとさっきのトラバースが実は20mほどある崖の上だったことが分かってゾッとした。



帰りに気がついたんだけど、駐車スペースからまずはじめに切通しの上まで上がってしまえば踏み跡があって迷わないし、そんなに悪くはなかった。

痩せ尾根伝いに下っていくと明瞭なコルに差し掛かる。





そこから左下に向かってザレた崩壊箇所があり、その下に沢が見える。



ザレを慎重に下って一ノ瀬川本流に降り立った。



かなり悪いザレ場で、ペコマとチッペは懸垂で降りてきた。






《入渓 遡行前半》

アプローチシューズから沢靴に履き替えていよいよ入渓だ!



一ノ瀬川本流沿いに100mほど下流に向かうと、ちょうど降りてきた尾根の末端にあたる場所が大常木谷出合となっている。



俄然ワクワクしてきてナメでもないのに「ナメてんじゃねーぞー!」とか叫びながら大常木谷へと踏み込んでいった。



するといきなり目の前の斜面をシカが駆け上がっていき、初っ端から山の奥深さを感じることが出来た。

最初の方は比較的広い河原と浅瀬を進んでいき、それなりに開けた雰囲気だけど、すぐに両岸には岩肌が露出してきて川床は狭くなっていった。





浅瀬は積極的に水流の中を歩いて行く。



淵や落ち込みは側壁をヘツったり、岩を乗越したりしてクライミング要素が出てきて楽しい。



これまでの沢を全てFIVE TENのアプローチシューズで遡行してきたペコマは、今回初のフェルト靴だ。



ペコマ「何か足首回りが緩いなぁ。沢靴でも滑ることは滑るんだなぁ。」



とか言いながら慣れない沢靴で不安そうに側壁をヘツっていると

ツルッ!ザッパァーン!!!

と見事に小釜に落ちていった。



やっぱ他人が水の中に落ちていく様って愉快だね!!

三人ともテンション高くて、「ぬお〜!」とか「ひょえ〜!」とか「うぉりゃ〜!」とか、何てことないとこでも無駄に声出しながら進んでいく。



沢登りって子供に戻った気分になるよね。

小学生のころ、キャンプに行ったら小川とか藪の中とかに入っていって、冒険してるみたいだったあれだ。

沢はまさに大人の冒険だぜ!





そんなこんなで進んでいくと、まず最初に出てくるのは5×8m滝だ。



ここは少し釜が深くて泳ぎが必要になる。



滝の右側を登っていくけど、登り自体は難しくはない。



滝を超えると谷の両岸が迫っていて、回廊という言葉がよく似合う場所だ。





奥へと進んでいくと五間ノ滝(8m)が出てきた。



ペコマは淵のど真中を泳いで行こうとしたけど・・・



あえなく敗退…



チッペが左岸伝いにまで行って水流の脇をプチシャワークライムだ。







それに続いて俺とペコマも登る。



その後も小さなゴルジュや小滝が続いて飽きない。



チッペは背中泳ぎでミニゴルジュを突破!



懲りずにまたもや流芯を責めるペコマ。



今度は成功だ!



そして現れたのが、かの有名な窒屁地蔵。



千苦ノ滝登攀の成功をお祈りして先へと進んだ。



ここも両岸が鋭く切り立ってきて、本当に自分たちが谷の底にいることを実感させてくれる。



そしてそこを通過すると・・・



来たー!!!!!

千苦ノ滝だー!!!!

デカいー!



しかも落ち口から真横に水が飛んでるし!!



ワクワクする振りして実はガクブルなペコマ。



リード頑張ってね☆



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